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第17章 終わるための罪

「うん・・僕はね、もしかしたら孝明くんと、って思ってたんだけどね」

「えっ？」

固まった私を見てマスターは、気を悪くしたのかと思ったようで、
何度もごめんごめんと繰り返す。

「これ、あくまでも最初の頃の印象だからね。
　孝明くんを見てたらなんとなくそう思って。
　凌空くんだっておんなじだよ。彼から咲子ちゃんのことを
　ものすごく大事に想ってるって、僕は何度も聞かされてるんだよ。
　だから彼と結ばれることも当然の結末だと思ってるのよ」

一気にまくしたてながら、マスターは忙しく手を動かす。
かといって、なにかを隠しているというわけではなさそうだ。
慎介さんは慎介さんなりに思うことがあって、そんな事を言ったんだろう。
あの人は人を傷つけるような事は決してしない、そうわかっているから
私は素直に感想として受け止めた。

でも・・少し心は揺さぶられた。