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忘れられない指
第5章 思いもよらぬ・・
「なんで・・あやまるの?私・・いやがったりしなかったよ、抵抗しなかった・・
 なのに謝るなんて・・別に私を好きじゃないのに抱いたってことなの?だから謝るの?」

ミノムシは分裂し、私は体を起して孝明の顔を見つめた。

顔を私の方に向け、合わせた彼の眼は、言いようがないほど寂しそうだった。

「そうじゃない・・好きでもない女を抱いたりするほどオレはいい加減じゃない・・」

「じゃあ・・なんで?孝明さん、私のこと好き?・・でも・・
 ついこの前まで他の男が好きだった女だもんね・・そんな気にはならないか・・」

今度は私が天井を見つめた。
しばらく沈黙が続く。
その静けさに我慢が出来なくなった私が体を横に向けると
黙ったまま孝明は、その胸に引き寄せた。

「これ以上・・なにも言わせないで・・・」

その声は・・震えていた。
何も言い返せないほど、悲しそうだった。
そして再び、彼は私の唇をその唇でふさいだ。

私は・・彼に従った。
彼が導くままについていった。
キスも、愛撫も、あの指も・・
そっくりそのまま受け入れた。

今度は彼に背中を見せ、後ろから貫かれた。
愛の液は、背中から脇腹へと伝った。
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