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忘れられない指
第6章 先が見えない・・

え・・?友達・・・?

その言葉は私を落胆させた。
正直言うと好きだ、とか、付き合ってほしい、とか、そういう言葉を期待していた。

一線を越えて、互いのすべてを見せ合った、というよりは
彼が求めてきたのだから、
孝明が私を必要としてくれるのだろうと思っていたのに・・


「・・友達、なの?それって
 今までと同じってことだよね・・?あれは・・
 じゃああれは・・どういう気持ちで・・?」

抱いたの?最後にそうはっきり付け加えればよかったかもしれない。
でも言えなかった。

隣りから長く吐く息の音が聞こえてきた。

「・・あの時も言ったよね、好きでもない女を抱くほどいい加減じゃないって。
 その意味は解ってくれるよね?」

わかるようなわからないような・・
でもとりあえずうん、とうなずいた。

「咲ちゃんのこと、大事に想ってる、もちろん。
 でも・・咲ちゃんはこれからも仲間で、友達で・・・
 ごめん、これ以上は勘弁して。
 オレ・・泣いちゃうかもしれないからさぁ」

出だしはシリアスだったのに、語尾はふざけて笑っていた。
ますます彼の気持ちがわからなくなった。
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