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MY GIRL
第10章 熱
2限後の休み時間。

「ねぇ蒼汰、1限の化学のノート写した?」

俺を見つめて言われた言葉に大袈裟に驚いてしまう。

「っえ?あ、や、写してない…」

「そっかぁ。じゃあ…」

「俺貸すよ!はいっ」

「あ!ありがとう村田くんーっ」

…あっ!?

入ってくんじゃねぇ、村田!

美咲の満面の笑顔を見て顔を真っ赤にする村田。

おい美咲も!

何こんなやつにそんな可愛すぎる笑顔向けてんだ、今すぐ真顔になれ!

つーかそのノート突き返せ!

クソ…写しときゃよかった。

しかも分からねぇ所村田に聞いて、楽しそうに話してやがるし!

クッソー…

いや、ノート写さねぇ俺も悪いけど…

恨めしげに村田を睨み付ける。

俺に代われよ、クソー…

3限のペアワークも、前のようにちゃんと一緒にやってくれた。

…あぁ。

幸せだ。

マジでアホみたいだけど、ほんとに幸せ。

4限まで、美咲を意識しながら授業を受けた。







昼、コンビニの袋を持って友達の輪の中に入る美咲。

可愛い笑顔で友達と話す美咲を少し眺め、涼太の元に向かう。

「涼太」

入り口で涼太を呼ぶと、相変わらず呑気におにぎり食ってる涼太がのっそり立ち上がって近付いてくる。

…おい早くしろよ、マジ注目キツいんだって!

「イケメンだね〜」

なんて言ってくれる3年の女の人に作り笑いで会釈。

「…来んの早くね?俺まだ1個しか食ってない」

「…食いながらでいいから。早く行こ」

かなり注目されてる俺ら。

もぐもぐと口を動かしながら歩く涼太の隣に並び、屋上に着くと、脱力してフェンスに寄りかかった。

「…なぁ。これから現地集合にしようぜ」

「遅くてもいいなら」

「…」

マジですか…


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