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MY GIRL
第8章 出会いと予感



大樹SIDE

隣で眠る美咲の頭を優しく撫でる。

今は汗や液でベタベタしてるけど、スベスベで柔らかい肌。

整った顔を見つめる。

びっしり生えた長い睫毛。

大きな二重の純粋な瞳。

小さな鼻。

ぷっくりとした、キスしたくなる赤く色付いた唇。

そんなパーツが、ちっちぇー顔に整って収まってる。

顔目当てなら、俺は女嫌いじゃない。

まず、女の容姿の基準を知らないが。

だが、誰かと比べなくても、美咲はかなりの美人だ。

入学式で初めて見た時、こんな綺麗な人間がこの世にいたのかと思ったほど。

最初はそんな印象だけだった。

"人間離れした綺麗な女がいる"…その程度。

そしてすぐに忘れた。

だが美咲の噂は、すぐに教室で持ちきりになった。

1年1組の、校内で一番可愛いと言われる女の子。

天真爛漫、声可愛い、 笑顔可愛い、胸が大きい、足長い、細い…

嫌でも聞こえてくる話をウンザリと聞き流していた。

くだらん。

お前ら人間の外見しか興味ないのか。

外見がよければそれでいいのか。

最初はそう思っていたが、実際に見に行ったやつの話を聞くと、噂通りの女らしく。

笑顔に、全く裏表がない。

プラス、性格がめちゃくちゃいいらしい。

「裏では男取っかえ引っ変えしてんだろ〜?」

その問いに首を傾げたらしい美咲。

「男の人と、付き合いたいと思ったことがないんです」

その言葉を聞き、普通離れて行くはずのギャラリーは。

自分こそはと、美咲への告白攻撃が始まった。

だけどことごとく柔らかな笑みで断られ、玉砕した男の数は全校生徒の男の約8割。

男嫌いということで、人気が落ちると思いきや更に上がった美咲の人気。

男嫌いといっても、俺のような女を完全否定するほどではなく、触れ合うのは嫌なだけで話すのは大丈夫だという美咲。

男嫌いの美咲と、女嫌いの俺。

涼太いわく、女嫌いの俺か涼太が告白したらOKして付き合うのではないか、という噂まで流れてたらしい。

最初は鼻で笑っていた。

意味分かんねぇ。

バカじゃねぇの。

男嫌いといっても所詮女。

俺の大嫌いな…女。


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