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先生、早く縛って
第20章 あなたのために……

「…………凛……」

え……?

嫌だ……なんで?
先生の口から出た、その響き。

それは私の心の、最後の壁を打ち砕いた。

もう、涙が止まらない……

凛……凛……!

先生、どうして……?
どうしてこんな時に他の人の名前を言うの?

そんなに……そんなに大切な人がいるなら、なんで私なんかを……

私は後ろを振り向かず、廊下を逃げるように走った。
遠くへ……もっと遠くへ。

もう、先生なんか知らない……
大好きだけど、知らないっ……!

涙で歪む視界。
さっきまでバラ色だったはずの、私を取り巻く世界が一瞬で色を失くしてしまった……

もう何も見えない、見たくない……

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