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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子

へぇ……こんな風になっているのか。

今までに何度も図書室へは足を運んだことはあったが、この書庫へ立ち入るのは初めてだった。俺だけでなく、一般生徒でここに立ち入った事がある者はそういないはずだ。

古い、年季の入った木材でできた本棚。そこに、天井に至るまでびっしりと本が並んでいる……明治時代に創立されたこの歴史ある高校の書庫だけあって、それは圧巻の眺めだった。

旧校舎の一角にある図書室は、古めかしい木製のテーブルと椅子が並ぶ趣のある場所で……その隣にあるここは、漆喰でできた壁や木製の柱に施された彫刻も建てられた当時のままであるらしく、足を踏み入れた途端、まるでタイムスリップをしたかのような気分にさせた。

窓はない。
そのために、外で行われている放課後の部活動の音や、隣接する図書室に数名残っていた生徒たちの気配は全く感じられなかった。

貴重な書物を保存するため現代的な空調システムが入っているというのに、照明は天井に点々と灯る裸電球だけなのは、おそらく普段人が入ることがほとんどないからだろう。

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