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第23章 古都の夜

お互いに求めあう男女がこうなって何がおかしい？
俺は本気になれそうな何かを掴みかけている高揚感に包まれていた。

「……本当にここまで来てくれるなんてうれしい……でも、寂しい女なら誰でもいいのかしら？」

俺の腕の中で、潤んだ瞳で見上げる蓉子。

「……そんなことはないよ。蓉子は……綺麗だ」

他に言い方がわからない。
もっと気の利いたことが言えないものか……
いや、今は言葉なんて必要ない。

俺は、蓉子の薄く……だけど柔らかそうなその唇を吸った。
生まれて初めて、自分から……

「は……ぁ……」

口づけながら、先ほどから俺を誘い続けている胸の先端を愛撫する。
俺の口の中でそれを転がすと、身をよじる蓉子が……俺は愛おしいと思えた。