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第29章 つなぐ想い

お風呂から出て部屋に戻ると、ちょうどスマホから〝ピコン〟とメッセージの受信音がした。

すぐに見てみると……それは石塚さんから、だった……

先生のことについて一度だけでいいから話をしよう、という石塚さんからのメッセは何度もらっていた。

でも、私の中の先生の想い出と石塚さんは切っても切れない場所にいて……会うのは辛いし、今さら会っても意味がないと思えてずっと逃げてきた。

だけど今日のメッセには、カットモデルが見つからないから助けてくれって……泣き顔のスタンプ入りで書いてある。

こんなの、ズルい……
私は石塚さんが働くお店に髪を切りに行く約束をしてしまっていた。

約束をしたのはちょうど一週間後の日曜日。今からちょっとドキドキしちゃうな……そんなことを考えながらカレンダーを見た私はあることに気が付いた。
お兄ちゃんのＳＭ雑誌の発売日がもう三日も過ぎてる……