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先生、早く縛って
第29章 つなぐ想い

石塚さん自らしてくれるシャンプーはとても上手だった。

その指先が髪の間に入ると、あのお祭りの日のことを嫌でも思い出す。
シャンプーはしてもらってないけど、あの日もこんな風に髪を弄ってもらって……そしてその夜私は先生と結ばれた。

でももうずっと昔のことっていうか……夢の中の出来事みたい。

先生のことを思い出してしまってまた悲しくなってしまう自分と、石塚さんに触れられて心が癒されるような心地よさを感じている自分に気付いて……私は少し戸惑っていた。

そっか……石塚さんはきっと安心感がすごいんだ。
ぬるま湯みたいな……ううん、日向ぼっこしてるみたいな気持ちになる。
やっぱりリラックスは少しだけできたみたい……

「お仕事しているところ、すごくカッコよくてビックリしました。私もやりがいのあるお仕事見つけたいな……」

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