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秘蜜に濡れて
第12章 曖昧な予感
撥春はあいりの事を知っていた様だった。

CM撮影のスタジオに駆け込んできたあいり。

撥春が追い掛けた時は珍しいとすら思った。

彼奴が女を追い掛けるなんて。

次に会った時には撥春のものだった。

愛おしそうにあいりの事を語る撥春。

そして、愛おしそうに見つめ返すあいり。

その…


笑顔。



「…っく…」

咥内に精を吐き出すと、女はそれを嚥下した。

「…ん…竜、良かった?それなら…」

膝上のタイトスカートをずり上げ様とする女に背を向けて、竜はそこから出て行った。

「ちょっ…竜?!」

「萎えた」

捨て台詞を吐いてフロアに戻る。

「…そうよ、軽い睡眠薬を飲ませたあとそれを使って好きなだけ犯してくれればいいから」

ドアの影で電話でもしているのだろうか。

随分物騒な内容だ。

「竜!」

「律」

「あんた相変わらず節操ないわね、来るもの拒まずもいい加減にしたら?」

「需要と供給が合ってるだけ」

律はあからさまに溜息をつくと二人して階段を登った。

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