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秘蜜に濡れて
第6章 絡まる糸
海外事業部のニコルは今朝からイタリア出張。

里美と二人でランチは外に出ていた。

「で、伊坂とは?上手くいってる?」

こくんと頷くあいりを、優しい笑みで見つめている。

「里美さんは、伊坂さんと知り合って長いんですか?」

「んー、9secondでデビューするちょっと前だから、三年前くらいかな?面倒見のいい兄貴って感じ?」

あいりの知らない撥春。

「知り合った頃からカッコよかったよ!まーあの顔だし、男前な性格な上に気遣いできるし、良い意味で無邪気だから女がほっとかないよね!」

「ん、それは、わかる気がする」

「でもね!そんな伊坂があいりを選んだんだから、自信持ちなさい!伊坂を信じて」

「…はい」

食後のデザートを平らげて会社に戻る。

行き違いで圭吾と雪夜が下りてきた。

「メシ、行ってくる!」

「はい、お疲れ様です」

エレベーターに乗ると里美はため息をついた。

「彼氏にするなら黒沢さんだなあーあの落ち着いた大人って感じの雰囲気、色気、声、どれをとってもパーフェクトだよ、怜二ももう少し大人の魅力を醸し出してほしいわ」

顔を見合わせて、ふふっと笑うと午後の業務に戻って行った。

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