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きみに鎖を
第3章 ーーー




「レナ」



微睡みのなか、聞こえたのは低く響く声。


誰もがうっとりしそうな美声にも、いまのレナには煩わしいものとしか捉えられなくて、



「レナ、起きろ」

「....ん...」


うるさいと言わんばかりに寝返りをうち、ふかふかの枕に小さな顔を埋めた。


そんなレナに男は顎に手をあて少し考えた後ーーー



「 っ !?!? やっ あははははっ 〜〜〜っ、ひぃぃっ やだやだ、やっ!?...きゃああ、あはっあはは!」




容赦なくがばりと羽毛ぶとんを剥ぎ取り、ふるりと震えたレナのその脇腹をこしょこしょこしょー!!とくすぐった。


突然の刺激にかっと目を見開き、くすぐったさに身を捩り、笑いころげる。



(やっなになになにっ?...ひっむりぃっ)


「起きたか?」


「おっおきた...はぁ はぁ はぁっ」


「ふっ。朝からえろい」



(え、えろい!?どこが!?)



今日も今日とて、ついていけぬ男の言動。


「バスローブをはだけさせて、涙目で。息を乱して....誘っているのか?」


「誘ってませんー!!」



ていうか元を正せばあなたがやったんじゃない!そう憤慨するレナにまた笑みを零しつつ、すばやくレナの後頭部に手をあて、軽くキスを落とす。




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