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第3章 山崎
〜山崎side〜

俺は女の人が苦手だ。 新撰組というだけで、遊郭にいる女の人などは化粧の匂いをさせながら、甘い声を出してベタベタと引っ付いてくる。

だけど…さくらさんは違った。
控えめで、ふわりと笑った顔はすごく優しくて、見ているだけで心が温かくなるのを感じた。
さくらさんと、一緒にどこか散歩に行けたら。
町で団子でも食べながら話せたら。
俺だけのために、あの笑顔を見せてくれたら。
いつしか、そう思うようになっていた。
けれど、いつの間にか副長と恋仲になったようだった。
俺は副長には逆らえない。
身を引くしかなかった。

だけど、思いも掛けないところで、さくらさんと一緒に町を歩いたり、四季を訪ねることができた。
なぜなら副長は忙しく、俺が代わりにさくらさんを迎えに行ったり送り届けたり、伝言を頼まれたりするからだ。正直最初はキツかった。 けれども、これで堂々とさくらさんに会いに行けるのだ。
他に恋人がいても、さくらさんと少しでも会えたり話せたりするだけでも嬉しかった。
さくらさんは可憐で純粋そうだ。副長も四季のさくらさんの部屋に行ったりするが、夜中には必ず帰ってくる。
そういうのが…いわゆる男女の関係にはなっていないのだろうか…いや、そんなことを考えるのはさくらさんと副長に失礼だ。

今日も副長は忙しいらしく、俺がさくらさんを四季まで迎えに行くことになった。

「山崎さん、こんばんは」

ふわりと微笑んでくれる。それだけで俺は頬が熱くなるのを感じなから、2人で屯所へ向かった。


さくらさんを副長の部屋の前まで送ると、自分の部屋へ引き上げることにした。
さくらさんは副長と部屋で2人、どんな話をするのだろう。 屯所には泊まらないだろうから、また俺が四季まで送り届るように頼まれるだろうか。そうしたらまた、さくらさんに会える。 部屋で1人あれこれと考えていると、副長に頼まれていた依頼の報告を上げるのを忘れていたことに気づいた。
今行ったら邪魔だろうか…でも、今日中に報告するように言われている。まだ部屋に入ってそんなに経っていないから、話の腰を折ることもないだろうと思い、すくっと立ち上がった。
(襖の外から声をかけて、簡潔に報告だけしてしまおう)
暗い廊下を進んで行く。
副長の部屋のそばまで来た時、何かが聞こえたような気がした。

(…?)
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