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ジェミニの檻
第12章 優しさの使い方
「志貴…お願っ…」

「好きって言えないなら、どうして欲しいかぐらい言えるだろ?」

上がった息で志貴は静かに言い放つ。

ぐっと腰を押し出すと、志貴の陰茎がちゅぷちゅぷと蜜口を擽る。

もどかしさに六花は腰を擦り付けるのに、志貴は焦らすように腰を引いてしまう。

「も、やあっ…!」

六花の目尻からぽろりと涙が溢れる。

「言えるだろ?こう言うんだ…」

涙を舐めとると、耳元で囁く。

蜜を塗した陰幹は淫らな音を立てて六花の秘部を擦り続け、その熱さに六花は唇を噛んで堪えるしかない。

ただそれも薄氷の様に呆気なく崩れ堕ちていく。

「…志、貴の…で…グチャグチャに、して…下さ…いっ…ぱい…イかせて…く、ださ…いっ…」

「良く言えました…っ!」

それでも先っぽだけを二、三度抽送すると、一気に奥まで突き立てた。

「ああっん———っ!!」

チカチカと視界が瞬く。

「キツ、すぎだろ…そんな締めんなっ…!」

六花の願いを叶える様に志貴は強く腰を穿ちだす。

激しい律動に息も絶え絶えになりながら、六花の無意識に口づけを強請っていた。

「六花…好きだ…」

落ちてくる汗の滴と志貴の切羽詰まった甘い言葉に、六花は只々その背中に腕を回し、縋り付く他無かった。
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