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ジェミニの檻
第2章 it's all your fault
マツナガ シキ?

「ま、つながって…」

「ほらほらこの顔よ」

嫌がる彼のメガネを取り、前髪を払うと、そこには確かに由岐がいた。

「…弟がいるって…」

あまりの驚きに上手く言葉が出て来ない。

由岐とは違う冷めた目付きが六花を捕らえる。

あの…キスの…人が、由岐の…

「そう!双子ちゃんなのー!由岐、本当に紹介してなかったんだねー強情だなあ!」

えれなは笑いを堪えきれず、その手は志貴の背中をバシバシと叩いていた。

「痛えよ、それ返せ」

メガネを奪い返した志貴は定位置に戻すと、再び六花と視線を合わせる。

家に行ったのも一度や二度ではないのに、一度も会わなかった。

言わなかったから、わざわざ弟の素性まで気にしたこともなかった。

双子…なのに。

何で教えてくれなかったの?

「講義あるから」

「相変わらずねえ」

冷たい視線を絡ませて、志貴は中校舎へと消えていった。
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