この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジェミニの檻
第14章 真昼の雨音
触れるだけのキス。

「嫉妬したよな?」

見つめられて、返す言葉がない事がそれを肯定してしまう。

「あ、たしは…由岐くんの…彼女だも…」

言葉を遮る様に唇を食まれる。

「お前が誰のものか、誰を好きかなんてどうでもいい、俺がお前を好きなんだから」

ぎゅっと鷲掴みにされた心臓が早鐘を打つ。

何時もの志貴じゃなかった。

頬を包む手は温かくて、優しくそっと、壊れ物を扱う様で。

親指が口唇をなぞると、ゆっくりと唇が重なる。

遠くて聴こえていた喧騒が消えていく。

眼が、好きだと云っている。

切なくて熱い瞳が真っ直ぐ六花を捕らえて離さない。

暗幕を広げた実験台の上に二人して倒れ込む。

髪を一筋手に取ると、それにも唇を寄せる志貴。

「…志貴…」

「抱きしめさせて」

腕を伸ばす志貴。

「言う事聞いて」

逆らえないのはその瞳の所為。

いつだって強引で、六花の有無なんて御構い無しなのに。

「六花の匂い…落ち着く…」

それだけ呟くと志貴の呼吸がすぅっと静けさに溶け込んだ。

「志貴…あ、たしも…好き…かもしれないよ…」

規則正しく鼓動を刻む音が耳元で鳴り続けると、それはメトロノームの様に温もりを巻いて六花を眠りへと堕としていった。

/198ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ