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ジェミニの檻
第17章 ジェミニの檻
満足そうに二人は目を細めた。

六花が志貴に向かって由岐に告白すると聞いた時、邪な考えが浮かんだ。

もし二人で六花を愛せたら。

一人の女の子を共有する事を、由岐は了承するだろうか。

志貴の水面に放った石は綺麗な水模様を描いて由岐の元へ届いた。

「俺が志貴の提案に乗らなかった事なんてある?」

由岐の斜めに笑うカオはいつだって氷点下の冷たさを含む。

普段が人当たりがいいから、この顔にどれだけの人間が騙されているのかと志貴は溜息を吐かずにはいられない。

文化祭で協力してくれた宗治にフェイクのメールを送る。

欺くならまずは味方から。

隣で由岐はさも可笑しそうにやりとりを見つめていた。

「六花がどろどろに溶けてどうにかなっちゃうまでシようか」

「ああ、俺たちだけにしか感じなくなるくらい、な」

見合わせた二人の企みに誰も気づかないまま。

宗治を罠に嵌めて、上手く六花をあの場所に居合わせる様に引き合わせた。

ソファーに座って震える六花は二人の加虐心を煽っただけ。

堕ちて、何処までも一緒に堕ちよう。

この隠微で官能の檻にいつまでも閉じ込めて、誰のものなのか深く刻み混んであげる。
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