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ジェミニの檻
第3章 溺れる方法
ギシッと音を立てて志貴の右膝がベッドに乗り上げた。

六花は後退る。

「逃げるな」

左足もベッドに乗せると六花はもう退がる場所がなかった。

右手が六花の頬を摩りながら首筋をなぞる。

「……っん…!」

長い人差し指が耳の後ろを掠めた時、その声が漏れる。

と、クスリと笑って志貴がそこに唇を寄せた。

擽ったさに首を竦める。

ちろりと舌が這うと六花は声を我慢して、手で志貴の身体を押し返した。

「…邪魔な手だ」

志貴は自分の首元からネクタイを外すと、意図も簡単に六花の両手を後手縛りあげた。

「ぃや…これ、外して」

キツくないのに外れないそれ。

志貴は取り合わず、六花の身体を引き寄せて耳を嬲った。

「…んんっ…!…あっ…!」

「いい?」

きゅっと口を閉ざして目を閉じると、唇に志貴の唇が重なった。

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