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繋がれた鎖
第2章 監禁
誰が呼んだのか救急車に担ぎこまれたけど

二人とも私が泣いても叫んでも起きてはくれなかった

涙が溢れて止まんないの

お父さんは意外と泣き虫だからすぐ映画やドラマで泣いちゃったりして
隣で私がからかうと、怒るふりしてさっき顔洗ったからだなんて
わけの解んない言い訳して
感動するーってないてた

お母さんは私の悩みを聞いてくれて
私の方が泣きたいのにお母さんの方が先に泣いて私が泣けなかった

頭ん中はお父さんとお母さんの思い出がいっぱいなのに…どうしたらいいの?

病院に着いたけど死んだのを確認しただけだった

その後警察の人が来たけど、なにを話したのか覚えてない

お父さんとお母さんは看護婦さんたちに綺麗に身体を拭いてもらった

良かったね。二人とも
まるで…寝てるみたいだ

ほんの数時間前には皆で笑いあってたのに…

病院に隣の田中さんが来てくれた

顔が広いから事故があったのを聞きつけて来てくれたらしい

田中さん、ぐちゃぐちゃに涙流してるからなにを言ってるか解らないけど
旅立ちの準備してあげるから心配しないでって言ってた

旅立ち?なにそれ?
お通夜?告別式?
見送る式?

いやだ…私も一緒に私も一緒に行くよ
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