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第19章 明日奈と天志【第二部】

「そういうわけじゃないけど」

「とにかく、犠牲とか諦めるとかじゃないよ、俺はしたいようにしてるだけ。…明日奈ちゃんは、俺が待ってると迷惑？」

不安げな天志の表情に、あたしは慌てて首を横に振る。

「違うよ、あたしのこと考えてくれるのは凄く嬉しいの。…嫌な思いさせたなら、ごめんね？」

「いや、俺も、明日奈ちゃんが俺のこと本気で心配してくれてるのは分かってるよ。ただ、今は本当にやりたい事はないんだ。だからあんまり心配しないで」


そう言って、天志はニコッと笑った。