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第22章 明日奈と天志【第四部】

「誤魔化してあげたんだから、この先も絶対に本当のこと言っちゃダメよ？どんなに問い詰められても、嘘を吐きたくないなんて考えちゃダメ。言えばタカ君は楽になるだろうけど、その分 彼女が苦しむんだから。真実を伝えることだけが誠意じゃないの、騙し通して欲しい時もあるのよ」

「…そういうもの？」

「そうよ、いくら付き合う前のことだっていっても複雑よ。特に彼女、こういうことを深刻に考えそうなタイプに見えるし」

タカ君はまだ『よく分からない』という顔をしている。

「…じゃ、お邪魔虫はそろそろ退散します。明日奈ちゃんによろしくね」