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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
マキコだらけの絵の中に、一枚でも他の絵がないか見渡した。

部屋の奥にイーゼルに立てかけられた下書き中のキャンバスが目に止まる。

「あ……あれが……」

『今描いている絵を仕上げたいんだ……』

「嘘でしょ……孝秀……」

信じたくないけど、吸い寄せられるように描きかけのキャンバスに近寄っていく。

絵の具に色が混ざらないようにだろう、オイルを使ってうっすらと下書きされているのは裸婦だった。

「これも……マキコさん?」

私じゃないの?

少しでも期待したかったけど、描かれた女性はグラマーな体型をしている。

昨晩会ったマキコは服を着ていても豊満な胸と、女王蜂のように括れた腰、色っぽいヒップが否応なしに思い出される。

キャンバスの前で愕然として立ち尽くしていると――――

「素敵でしょ〜この部屋。孝秀が全部描いたのよ」

ほのかに漂う香水と、鼻に付く声が背後から届いてきた。

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