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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
「じゃぁ何で、孝秀に執着してんのよ」

マキコは最後にゆっくり煙を吐いて、ベッドの下から取り出した灰皿にタバコの先端を押し付ける。

「私のことをどう思われてもいいです。だけど孝秀の描く色は本当に素晴らしいです! それは認めてあげて下さい!」

あの『藍色』だけは、この女に認めさせたかった……

だけど――――

「あははは!  何、色って〜?  ただ買って来た絵の具の色でしょうが。高い絵の具用意してあげたんだから色が綺麗なの当たり前でしょ!」

いとも容易く黒い言葉で塗り潰した。

余りの悔しさに怒りの感情が先立ってしまう。

「違う!  違う!!」

「何が違うのよ……こんなに物が便利に揃っている世の中で、あんたたちの世代は不自由なく欲しい物を手に入るじゃない。ちょっと絵が描けたって誰かの影響を受けているんだから、完全オリジナルって言うのは最初に創造した者だけよ」

「絵を描き始めたきっかけは誰かの影響だとしても……そこから自分らしさを生んだらオリジナルになるじゃないですか……」

マキコの強引な理論に何とか食い付いていこうとしたけど、敗北感が徐々に胸の中に押し寄せてくる。

「あんた、働いてるの?  一人暮らし?」

突然マキコは、私のことを聞いてきた。

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