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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
どれくらい泣いただろう。

孝秀が心配するから泣き止みたくても、どうにも止まらなかった。

一体どこからこれだけの液体が出てくるのかと思うくらい泣き続けた。

その間孝秀はずっと私を抱き締めながら時たま鼻水まで拭ってくれて、やっと落ち着いた頃には、時間は21時になろうとしていた……。


「ごめんね……忙しいのに」

感情的になり過ぎて孝秀に迷惑を掛けてしまい、申し訳なくて謝ると

「ううん、全然忙しくないから気にしないで平気」

優しく微笑んで涙で腫れた私の瞼を濡れたタオルで冷やしてくれている。

そんなことまでしてくれる孝秀の優しさに、彼の両親のことがふと頭に過った。

ご両親、どんな方なのかな?

最近明るい表情が増えた孝秀を見ていると、元々同世代と変わらない明るさや無邪気さを持っているのを感じる。

それにやっぱり……優しい。

借金が出来た経緯はまだ分からないけど、それまでは朗らかで笑いが絶えない家庭を想像した。

何重にも掛かったベールが、少しずつ剥がれて見えてきた孝秀の過去……

もっと知りたくなってしまう。

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