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白い背中と君の藍
第8章 コーヒー◇優しい気持ち
もし孝秀と出会う前に先輩にこういうことをされていたら、ただこそばゆさに笑ってしまっただろうけど、孝秀に快感を教え込まれた身体は先輩の感触にも敏感に反応してしまう。

「あっ……せんぱっ……ん……」

孝秀とは違う唇の柔らかさと熱に反射的に出る甘い声。

先輩の腰元に掴まって握ったTシャツをしわくちゃにする。

首筋を先輩の唇が満遍なく這っていく。

「あ……はぁ……ダメです……先輩……」

喘ぎ声を出しながらも、何とか先輩を止めようとすると

「こんなそそる声出すのかよ……すっげぇムカつく」

ちょっと不愉快そうに言って、抱き締めたまま私の身体を持ち上げた。

「な――――!!」

急に浮いた身体に若干の遠心力がかかり、勢いのまま近くにあったベッドの上に寝かされた。

一瞬の出来事に呆然と天井を見上げると、先輩は体重を乗せるように素早く覆い被さってくる。

「先輩!?」

ひっくり返した声で呼ぶと

「絵の具ばかりに染まってないで……他の色も試してみろ」

私の答えも待たずに、先輩は唇を塞いできた。

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