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よくある恋愛モノ
第11章 新たな日々へ



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学校が終わると、約束通り急いで病院に向かう

病室に入ろうとすると、中から声が聞こえてきた



「ほんと、お兄ちゃんも馬鹿だよねー」

「うっせーよ」

「でも、もうこんな無茶はしないでね? お母さん心配したのよ?」

「全く、世の中には警察ってものがいるのに、それも忘れてたとはなぁ」



“今日は帰った方が良さそう……”



和泉家の家族水入らずの時間など、滅多にないだろう



「……もう帰れよ」



“あっ、ばかっ”



みんなの好意を無視するような凪の発言に、美和は心の中で悪態をついた



「はいはい、じゃあ帰りますよ。もう、なんでそんなにイライラしてるのかしら」



3人は腰を上げ、ぞろぞろと退室していく



ガララッ



「あらっ」

「あっ」



美和はどうしていいかわからず、おろおろしていた



「こっ、こんにちはっ」



“なるほどー、お兄ちゃんの追い出しの原因はこれね”



陽菜乃は凪の態度に納得した



「美和ちゃん、ごめんなさいね、こんなにしょっちゅう来てもらって」

「あ、いえ……」

「凪は甘えん坊なんだなぁ」

「お父さんに似たのよ。ねぇ、美和ちゃん?」

「は、はぁ」



父母は美和を巻き込んで世間話を始めた



「ちょっと、お母さん!」



陽菜乃はそれを遮り、病室の中をちらっと見る



「あ、ああ、そうね」



陽菜乃の目配せを理解する母



「ん? なんだどうした?」



全く気が付かない父



「いーから、行くよお父さん!」

「え、おいおい」



父、娘に背中を押されて帰る



「じゃね、美和ちゃん! ごゆっくり!」

「あ、うん」



“気を遣わせちゃったかな……”



美和は少し反省しながらその後ろ姿を見送った



「おい、いるならさっさと入れ」



中からお呼びがかかり、美和は慌てて病室に入る



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