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よくある恋愛モノ
第10章 そして、確信



病室の外にいた陸もびっくりして思わず中を覗こうかと思ったほどだ



「おい……冗談だぞ?」



凪は苦笑しながら言った



「私が……どんだけ心配したか知りもしないで……っ」



この言葉に凪は一旦口をつぐむ

黙ってしまった凪に不安を感じた美和は顔を上げた

凪は顔を背けているが、その顔には明らかに不快な表情が浮かんでいる



「凪……?」

「俺が心配しなかったって言うのかよ……」



その言葉に、美和ははっとした

先ほどの陸の発言が理屈抜きに理解されたからだ



「お前が変なやつらに攫われて、しかもそれが俺のせいで、何も感じなかったっていうのかよっ!」



病院での怒鳴り合いにたえられなくなった陸が思わず扉を開ける



「出てけっ!」



それに気付いた凪が陸に八つ当たりをし、陸はすごすごと引き下がった



「ごめんなさい……」



その言葉にちらっと顔を見ると、美和は涙目になっている



「なっ……泣く、なよ?」



美和はきゅっと唇を結び凪を見た



「まぁ……2人とも大したことなかったんだから、気にするな」



しかし美和は頷かない



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