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第3章 ♥ご機嫌カレシ

「俺と同じだね」


翔ちゃんと同じ大学だって言ってたから、この人も相当頭いいんだろうな～
だからこんな有名企業に就職できたんだろうな～

なんて感激しながら、もらった名刺を拝んでいると

店員さんに向けて手を挙げながら、立花さんが続けた。


「俺も社内恋愛なんだ」

「えっ、そうなんですか！♡」

「うん、でそのまま結婚して」

「わ～♪」


私のバッグを渡すようにスマートに促して、店員さんに預ける彼。

そのまま奥の席に進めるように、私の横に立ってくれる。


エ、エスコートも完璧…っ！！


こんな人を射止めて旦那にした奥さん、相当いい女なんだろうな～
社内結婚って言ってたから、きっとライバル沢山いたんだろうな～

って私、さっきから妄想が止まらない……


「奥様は、まだ同じ会社で働いていらっしゃるんですか？」


もつれそうな足を動かしながら、そう聞くと



「今ね、産休中なんだ」

「………！」

「予定日は２ヶ月後」



……今までとは比べ物にならない極上の笑顔。


立花さんは幸せそうに微笑んだ。