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第5章 ♥離れないで

「……莉央……！」



膝からペットボトルが落ちて、芝生の上を転がっていく。

私の肩に伏せたままの莉央を、両手で強く抱きしめた。



「どこにも行かないよ、絶対に」

「………っ」

「当たり前でしょ。
私は、莉央のか…彼女…なんだから……」



……気丈でいたいから、泣かないって心の中で繰り返しているのに

思えば思うほど、溢れる涙が止まらない。



……ねぇ、莉央

みんなが、貴方を愛しているんだよ

心の優しい貴方に、誰もが救われているんだよ



みんなが、必要としている貴方が

私に離れないでと言ってくれるなら



……私は、一生莉央の傍にいるよ。




「……加賀谷さんがね、ありがとうって」


「………！」


「生きる希望を与えてくれて
ありがとうって、莉央に伝えてって」


「………っ」


「莉央が、１番かっこいいって言ってた」




……想いが伝わるように、強く、強く抱きしめる。




「……私も、心からそう思うわ。

莉央のことを……世界で１番愛してる」