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好きにさせて
第5章 部屋

中三の時

俺は高校の入学式までに
茜に告白しようと決めていた


進む高校がバラバラの俺達は
高校生活が始まれば
恋人ごっこなんか
できなくなるからや


茜に断られるのが怖くて
茜とフリでもええから
一緒におりたくて
卒業までは
告白できんかったけど


高校で離れてしまうなら
思い切って…


そう思っていた
中学卒業後の3月のことやった


茜は突然

俺との連絡を
断ってしもたんや



俺が
何度電話しても
茜は電話にでてくれへんかった



それから俺達は
別々の高校に進み

しばらく
話をすることも
会うこともなくなってしまったんや




茜と連絡がとれなくなったのは

今でも忘れへん


俺と茜が
歩いているのを

茜の親父さんに
見られたあの日からや



昔から茜は
母親の話をようしてたけど
親父さんのことは
ほとんど話さへんかった

そんな茜が
一回だけ
親父さんの話をしたことがあった


それは


お母さんに
厳しくあたる親父さんを
あまり好きではない
というような内容で


茜は
あんまり親父さんのことを
好きではないみたいやった


まぁ
その頃は中学生で
俺も親のことを毛嫌いしてたから
そんなもんやと
思うてたけど


あの時
偶然見た茜の親父さんは

結構

イカツイ男やった




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