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あたしの甘い王子さま
第6章 甘えた君、登場

甘い時間と空気が二人を包む。


見つめ合う二人の距離は自然と縮まり、重なりあう唇はやっぱり深くなっていく。


小さな隙間を縫って届けられる言葉。
それは全て晶を甘く蕩けさせるもの。
絡み合う舌が奏でる水音も、同じ。


離れたときにできるキラリと光る銀の糸。
コレが切れてしまうのが惜しいと思ったのは........

どうやら二人ともらしい。

一息吸い込んだら、磁石で引き寄せられるようにまた繰り返される。



「晶、ゴメン........」


「え....なに?」


「味見じゃ収まらない........」



キャスター付きの椅子に座っているから、あたしを抱いたまま床をひと蹴り。


この部屋唯一の出入り口でもあるドアに向かう部長。



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