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第42章 暖かい食卓

「海斗はね、昔から清瀬家の長男としていろんなものを見てきてる。
人間の良い所も汚い所も。
だから自分の素を出せる人を無意識に見極めてるのよ。
壁を作っちゃうっていうのかな。
隙を見せないように気を張ってるのね。
だからここで働く執事やメイドも、あの海斗を知ってる人はごく僅かよ。」

するとすみれさんは少し眉を下げて言った。

「あたし、見てしまいましたけどいいんでしょうか？」

「すみれちゃんはいいのよ。あたしが信頼してる子だって海斗もわかってる。
それにさっきは海斗、莉愛菜ちゃんの事で頭がいっぱいでそれどころじゃなかったんでしょ。
海斗がそうなる事も珍しいわ。
いつもは親のあたしがびっくりするぐらい何事にも冷静だから。」

鞠子様は海斗様の変化にとても嬉しそう。