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sunset~君の光になりたい
第3章 雨は涙色


「ヒロも隅に置けんなー―!この女泣かせ!」
「俺も女の子に泣かれたい!うらやましいぜこのイケメンヤロ――!」
「ボーカルが一番モテるはずなのに、何故や――!何故なんや――!」

 3人が口々に何か喚いているのをよそに、ヒロの意識は音楽の世界の中へと旅立っていた。
 シャッフルで始まったナンバーは『sunset』。
 thunderの新曲だ。
  彼女はこの曲を口ずさみながら爪先立ちでステップを踏んでいた。
 華奢な鳥が雲の上を歩いているかの様に。
 彼女に『不注意だ』
 と毒づいたが、不注意だったのは、彼の方だ。
 彼女をずっと見つめていたのだから。
 目が合った瞬間の、彼女の青ざめた表情が頭に残っている。
 

「……また、怖がられるんかな」

 ヒロがボソリと呟いた時、車は目的地の
『マウンテンレコード』店舗付近に到着した。




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