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情画
第1章 再開
衣装部屋の衣紋掛けがあり、ワタシの服が掛けられていた。

ワタシは起き上がる。

っつう…

夢かと思うほどの静けさに、体が狂乱の宴が事実であったことを伝えた。

テーブルにメモと水が置かれている。

「明日もいらしてね。」

先生からのメッセージを期待していたのに、それは沙絵さんからのものだった。

身支度を済ませる。
人の気配すらしない静まりかえったお屋敷。

ワタシは、壁に掛けられたカーテンを開けた。

そこには、八年前のワタシが当時のまま居たのだ。


先生は、まだワタシを愛してくださっているのだろうか…

ワタシはわからなくなってしまった。


カーテンを閉じる。
ワタシはアトリエを出た。

実が帰ってくる時間も近い。

「先生、沙絵さん」

声をかけても物音すらしなかった。

「すみません…失礼します。」


やはり返事はない。

カラン…カラン…

鐘の音がワタシが去ったことを伝えるだろう。

庭の花木の美しさが、今は目に痛く感じられた。

ワタシは逃げるようにして門を出た。

家に帰っても、狐につままれたようで、先生や沙絵さんのこともわからないままで、あれやこれやと考えていた。

実が帰ってくる。

ぼうっとする自分に何度も言い聞かせておやつの準備をした。
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