この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第22章 いい女、いい男、もっといい男

……だから、なんでそっち方向へ持っていくんだよ。

煙草を咥えたまま、宮本が俺の方に振り向いたけど

グラスを手に持って、条件反射でサッと視線を逸らした。


「……加賀谷」

「やめろ、なんか怖ぇ」

「今住んでる俺のマンション、隣り空いてるから」

「・・・だから?」

「今すぐ越して来いよ」


飲んだビールを吹き出しそうになる。

思わず凝視したその先の……俺を見つめる奴の目は至って冷静だ。


「それか俺の部屋でもいいぜ」

「アホか。
何が悲しくて男と同居なんて…」

「沙月に指1本触らねぇと約束するなら、俺は構わない」

「~~触るか! バカじゃねぇの…
……!」



舌打ちをして視線を逸らした宮本の目から、再びその光が溢れてきて



「……だから、何でそんな綺麗に泣けるわけ?」



……煙を浮かべるその横顔を

暫くの間、呆気に取られて眺めていたけど

普段冷血ドSを気取ってる男が、人目を憚らず涙を流し続けるから




「……はは。マジで変な奴」




……本当は


一部始終を見ていたであろうこの男が、涙する理由も


その発言の意味も、ちゃんと伝わって分かっているから


俺はそう言って小さく笑った。





/438ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ