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BLACK WOLF~crime~
第4章 海ノ魚
…今まで考えたこともなかった、姉妹や兄弟なんて。

でも、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいたら少しは寂しくなかったかな。

妹や弟は…、私が甘えん坊で泣き虫だから面倒見れないだろうし。

「じゃぁ、俺が相沢さんのお兄ちゃん変わりになろうかな?」

「え?そんな…」

「あ、でも、彼氏が黒埼 明じゃ恐れ多いかな~」

桜木さんが私のお兄さん?



桜木さんがお兄さんか。

こんな優しくておおらかなお兄さん、私には勿体なく感じるけど、本当にこんなお兄さんがいたら楽しいだろうな。

いろんな事を相談したり、いろんなところに遊びに行ったり、きっと妹想いのお兄さんになってくれるだろうな。

あの写真に写ってた笑顔で、周りを幸せにしてくれるに違いない。



…桜木さんになら彼氏の…、黒埼さんの事を相談出来るかも知れない。

別に相談する気はないけど、本当の家族だったら…、そういう事を相談したり出来るんだろうなぁ。





私には遠い遠い憧れ。

手に入れる事等出来ない家族という憧れに想いを馳せた。

だって、今の私は本当に1人ぼっちになってしまったのだから。

ハルちゃんも、黒埼さんをも無くした私に寄りかかれる人なんて今はもう…。









「はい。着いたよ。本当にここでいいの?」

「…はい。ありがとうございます」

車を走らせて10分。

車は、今朝私と桜木さんが出会った公園に到着した。

道路の脇に車を停めて、サイドブレーキをキィッと引く。

シートベルトを外し車から降りようとしたが、アパートに黒埼さんがいるのではという不安から嫌な汗が体から滲み出る。

「別にアパートまで送ってもいいのに」

「いえ…、ちょっと散歩しながら歩きたいので…」

辺りは薄暗くなり出している。

ここからならアパートまで歩いて10分ぐらいだし、特に危ないということもないだろう。

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