この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜



…黒埼さん、今頃どうしてるかな?

携帯も取り上げられたし、何の連絡も出来ないし…。


それに、桜木さん、仕事辞めたのかな?

時間はわからないし、外は雨雲のせいで薄暗いからわからないけど、今はまだ日中の時間だ。

本当ならハルちゃんだって仕事に行ってる時間だろうし。


「あ…いって…」

それより今はハルちゃんの足を何とかしないと。

このままじゃ出血多量になっちゃう。

一応ハンカチを破いて足を縛り止血はしているがこれじゃいつまでも保たないよ。



黒埼さん…

こんな時に浮かぶのは黒埼さんの顔だった。

昨日まではただただ腹が立つ存在だったのに今は…




今は世界で1番会いたい人…。

















数時間後。

ガチャとドアが開き桜木さんが戻って来た。

手には大きな薬局の袋が握られていた。

「ほら、これで手当てをしてやれ。それと、これも」

「あ、ありがとう…」


薬局の袋と1枚の毛布を床に投げ捨てた。

こんな人にお礼なんか言いたくないけど、今は一刻をも争う事態だ。

床に投げ捨てられた袋と毛布を拾い上げハルちゃんの元へ駆け出そうとすると…

「手出せ。そんな手じゃ看病出来ねぇだろ」

「あ、はい…」

両手を桜木さんに差し出すと、ポケットから小さな鍵を取り出し手枷を外そうとしてくれた。

「……桜木さん、仕事は?」

「辞めた。黒埼を血祭りに上げる瞬間を見逃したくねぇしな」

…仕事に行ってる間に私達が逃げ出すかも知れないし、誰かがここに来るかも知れないし。

ずっとこの廃墟で見張ってるつもりかな?

「ずっとここに?」

「こことは別の部屋にいろいろ揃えてあるからな。不便な寮だとでも思えば住めなくもない」








/225ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ