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BLACK WOLF~crime~
第8章 雨ノ夜
「ハルちゃんに…、ハルちゃんに何をしたのっ!?答えてっ‼桜木さ━━━━」


壁に持たれる桜木さんの方を見ると、桜木さんのその手には…



ビデオカメラが握られていた。



動画等が録れるあのハンディカメラだ。

「な、によ、それ…」

桜木さんはニヤリと笑い、私と苦しむハルちゃんを録画してるようだった。


何?

何なの、あのカメラ…。

私達を撮影してるの…?

一体、何のために…?




「いいね~、相沢さん。その怯えた表情」

「ふざけないで…。何なのよ…」

確かに、私今、凄く怯えてる。

苦しむハルちゃんの様子を淡々と記録におさめてる、そんな桜木さんが凄く怖い。

桜木さんの言う通り、恐怖が顔に滲み出てるんだ。


「ねぇ、相沢さん。知ってる?今この瞬間にも絶滅して行ってる生物は沢山いるんだよ」

「…は?」

「毎分…、いや、下手すれば毎秒かな?あらゆる生物が絶滅してる。日本狼や恐竜みたいに」

…何の話?

生物の絶滅と私とハルちゃん、何の関係があるの?

そんな突飛押しもない話題を振られ、私の頭の中は訳がわからなくなってた。

しかし、そんな私を無視して桜木さんは話を進めて行く。


「で、絶滅を防ぐためにはどうすればいいか…。科学が発達した現代ならクローンっていう手もあるけど、1番理想的なのは繁殖活動を促すこと。その生物が子供や卵を沢山産めば絶滅は食い止められるでしょ?」

「だ、だから…、何よ?」

「でもね、中には繁殖活動に消極的な生物もいるんだよ。そういう生物には薬を飲ませてるんだ。超強力な媚薬とでも思ってくれればいいかな」


…その媚薬を飲めば気持ちが興奮して交尾に結び付くって事でしょ?

ますます意味がわからない。

私達に何の関係があるの…?



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