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BLACK WOLF~crime~
第2章 森ノ蝶

職場への言い訳を考えながらも私にはもう1つ気がかりな事がある。



…ハルちゃん、あれからどうしたのかな?

ちゃんと仕事に戻れたかな?

傷、ついたよね、絶体…。


昨日は体中の痛みで眠れなかったけど、頭の中はハルちゃんの心配ばかりだった。


私の為に一緒にいろいろ考えてくれたのに、私はハルちゃんを傷つけてしまった。

黒埼さんの暴走を止めれず、ただ硬直してただけ。

私は何度ハルちゃんを傷つけてしまったんだろう。

謝っても謝り足りないし、ハルちゃんの顔を見ることすら躊躇ってしまう。



空からは熱いぐらいの日差しが照りつけている。

もう夏が近づいてる。

空は曇1つない、腹立たしいぐらいの青空。



こんな青空の下、俯き悩みながら生きたくはないのに。






あれこれ考えながら歩いていると、気付けばいつの間にか職場に到着。

歩いて15分、いつもは遠く感じる道程なのに今日は何だか早く感じた。

それだけ気が滅入ってるんだろうな。



「……よし!」

どうせ怒られるんだから気が滅入ろうが元気だろうが関係ない。

連絡も入れずにサボッてしまったのは事実なのだからちゃんと謝らなきゃ。

ここまで来たのだから言い訳は適当に考えればいい。



私の職場は事務所と作業場の玄関が別れている。

作業場勤務の社員さんやパートさんや派遣社員は作業場がある裏口を使い出入りする。

そこにロッカーやタイムカードなんかも準備されている。


一方、事務所勤務の事務員さんは正面玄関から出入りする。

よほどの事がない限り私達作業場勤務の人間が正面玄関を使うことはない。

いくら玄関が別々でも建物に入れば中は繋がってるのだからちょっとした連絡は職場の中で全て事足りている。




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