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BLACK WOLF~crime~
第4章 海ノ魚
急に何を言い出すの、この人。

家にって…。

あたふたする私を見ながら桜木さんは面白そうにクスクス笑ってる。

「そんな…、悪いですよっ!私なら大丈夫ですからっ!」

「どうして?俺今独り暮らしだから気兼ねしなくていいよ」

「そういう問題じゃありませんっ」

「心配しなくても"世界の黒埼 明"の彼女に手なんて出さないよ~。バレたら殺されるって」

「そうじゃなくて…」


…ハルちゃんも昔私を匿って酷い目に遭ったんだ。

桜木さんまで巻き込めない。

それに、ついさっき会ったばかりの元社員を家に呼ぶなんて…、絶対迷惑をかけてしまう。

「本当に私…」

「でも相沢さん、見たところ手ぶらだよね?お金もないでしょ?そんな格好でブラブラするには限界があるんじゃない?」

「そ、それは…」

確かにそうだ。

携帯も時計も、財布すら持ってない今は何も出来ない。

ブラブラするにも外は寒過ぎる。

だからと言って桜木さんにまで甘えていいものか。



でも、私は黒埼さんに別れを告げた。

結果はどうあれ、私は黒埼さんの手から離れようとしてる。

私が黒埼さんに気を使う必要もなければ、黒埼さんが私を咎める必要もない。

私にだって選択権はあるはずだ。



「じゃぁ…、少しだけお邪魔します」

「決まり。ちょっと歩くけど我慢してね」



私は、黒埼さんの人形なんかじゃない。






























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