この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
美しい狼
第8章 遠吠え
要へ
お前に
伝えることがある
だが
やはり生きてるうちに
伝えることは
出来なかったみたいだ
私は臆病者で狡い男だ
手紙でしか
伝えられない私を
憎んでくれ
なぜお前は
私に
引き取られたか
理由を知りたがっていたね
そのたびに
私は、
お前の母親の友人だからと
はぐらかしてきた
でもそれは違う
私は
お前の母親、伊織の婚約者だった
私達は
深く愛し合っていたし
結婚をして
幸せな家庭を築きたかった
だけど、私の両親は
伊織のことを良く思わなかった
何の後ろ盾もなく
地位や財産のない生まれというだけで
そんなことは
私にはどうだって良かった
伊織さえ居てくれれば
それだけで幸せだった
でも
世界はそんなに甘くない
両親や親戚は
寄ってたかって
伊織を苛め傷つけた
精神的に追い詰めて
追い出そうとしたのだ
私は
出来る限りの力で
伊織を守った
けれども
守りきれなかった
両親は
三興総社の令嬢との
見合い話を勝手に進め
伊織の前で
令嬢である、真希を露骨に
可愛がり始めた
私に
真希を思う気持ちなど
一切なかった
けれど
伊織は
私と会社のことを思い
真希と一緒になることが
正解だと言って
去っていってしまった
何度も引き留めて
駆け落ちする覚悟で迎えに行った
でも
彼女は疲れたと
解放してくれと泣いたんだ
私は
身を引き裂かれる思いで
伊織の手を離した
家に戻ってからも
ずっと伊織が忘れられなかった
その態度が
真希のプライドを傷つけていたことは
知っていた
自分になびかない私が
気に入らなかったのだろう
真希は
執拗に私に纏わりつく様になった
今思えば
その時に
真希の狂気に気付いていれば良かったのだ
しばらくして
風の頼りで
伊織が結婚したと聞いた
正直ショックだったが
彼女の幸せを心から願った
それもまた
真希を狂わせる原因の1つとなった
他の男と結婚してもなお
あの女がいいのかと
狂ったように
私を責め立てた
けれど
そうすればするほど
私の気持ちは
真希から遠ざかっていくばかりだった
そして
真希は
お前を乗せた車へと
突っ込んだ
時速100キロ以上のスピードで
お前たち3人を乗せた車に
正面衝突したのだ
お前に
伝えることがある
だが
やはり生きてるうちに
伝えることは
出来なかったみたいだ
私は臆病者で狡い男だ
手紙でしか
伝えられない私を
憎んでくれ
なぜお前は
私に
引き取られたか
理由を知りたがっていたね
そのたびに
私は、
お前の母親の友人だからと
はぐらかしてきた
でもそれは違う
私は
お前の母親、伊織の婚約者だった
私達は
深く愛し合っていたし
結婚をして
幸せな家庭を築きたかった
だけど、私の両親は
伊織のことを良く思わなかった
何の後ろ盾もなく
地位や財産のない生まれというだけで
そんなことは
私にはどうだって良かった
伊織さえ居てくれれば
それだけで幸せだった
でも
世界はそんなに甘くない
両親や親戚は
寄ってたかって
伊織を苛め傷つけた
精神的に追い詰めて
追い出そうとしたのだ
私は
出来る限りの力で
伊織を守った
けれども
守りきれなかった
両親は
三興総社の令嬢との
見合い話を勝手に進め
伊織の前で
令嬢である、真希を露骨に
可愛がり始めた
私に
真希を思う気持ちなど
一切なかった
けれど
伊織は
私と会社のことを思い
真希と一緒になることが
正解だと言って
去っていってしまった
何度も引き留めて
駆け落ちする覚悟で迎えに行った
でも
彼女は疲れたと
解放してくれと泣いたんだ
私は
身を引き裂かれる思いで
伊織の手を離した
家に戻ってからも
ずっと伊織が忘れられなかった
その態度が
真希のプライドを傷つけていたことは
知っていた
自分になびかない私が
気に入らなかったのだろう
真希は
執拗に私に纏わりつく様になった
今思えば
その時に
真希の狂気に気付いていれば良かったのだ
しばらくして
風の頼りで
伊織が結婚したと聞いた
正直ショックだったが
彼女の幸せを心から願った
それもまた
真希を狂わせる原因の1つとなった
他の男と結婚してもなお
あの女がいいのかと
狂ったように
私を責め立てた
けれど
そうすればするほど
私の気持ちは
真希から遠ざかっていくばかりだった
そして
真希は
お前を乗せた車へと
突っ込んだ
時速100キロ以上のスピードで
お前たち3人を乗せた車に
正面衝突したのだ