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美しい狼
第14章 すれ違い
ずっと思い続けてきた
幼いあの日
お前が手を差し出してくれなければ
生きていくことなんて
できなかった

あの時の温もりの記憶
それを頼りに生きてこれた
待ち焦がれた温もりが
手の届く場所にある

こんなにも
こんなにも
焦がれて
やっと手に入れたのに

お前の愛し方が分からない

大切にしたいのに

油断すれば
お前を壊すほど
抱いてしまいそうだ

誰の目にも触れず
何処へも行けないよう
俺だけを見ていられるように
お前を閉じ込めてしまいたくなる

もう
ひとりになるのは怖いんだ



だから



お前を壊すぐらいなら



お前を
抱かない
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