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美しい狼
第15章 狂い出す歯車
「そんなとこに居ては
 風邪を引いてしまいますよ?」

私の涙を
拭ってくれたのは

優しい笑顔の
紳士でした

「あなたは、誰ですか?」

「私は、和久井光太郎と言います。
 今日から
 このお屋敷で働くことになった
 執事です。」

「和久井………
 あっ!!もしかして、
 爺やさんの息子さん!?」

「正解です。
 父から、あなたのことを聞いて
 早く会いたくて仕方なかった
 …
 あなたには
 涙は似合わない…………」

そう言うと
光太郎さんは
私の涙を舐めたのです

「アッ////!!」

驚きのあまり
突き飛ばしてしまいました

すると光太郎さんは

「ごめんなさい!驚かすつもりは
 なかったんです!!」

って
凄い慌てふためいて
涙目になっていたので
つい
許してしまいました

憎めない人というのは
きっと
光太郎さんみたいな人のことを
いうのだろうなぁと
心の中で思っていたのでした
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