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揺れる恋 めぐる愛
第5章 光明と暗黒
「ごめん。せっかく誘ってもらったんだけど……

帰る」

私は荷物を持ち立ち上がった。

美咲がすがるような目をしたので、流すように視線を逸らした。


「私……

本当にウザったいかもしれないけど……

いつでも話したいと思ったらでいいから、メールでも電話でも連絡してね」

背中にその言葉を浴びながら、余裕のない私は返事をすることもなく

逃げるようにその場を立ち去った。


こうやって何もかもうまくいかなくなって、

またあの頃のように心を閉ざして、しなければならないことを

ただひたすらに淡々とこなす。


寂しくても、失うことが……

傷つけられることが怖くて、

ただ自分の心を守ることだけに力を注ぐ。


永遠に続くと思えるような暗闇の道。

その先にやっと見えたはずの一粒の光の筋すら……

もう今はない。


あんな不道徳なことをしてしまった私には、

ほんの一握りの幸せを望むことすら分不相応なのだろうか?


それからどうやって家まで帰ったのか覚えていない……

玄関のかぎを開け、バックをあたりに放り投げ、

そのまま真っ直ぐベッドに倒れ込んだ。


もういやだ……

何もかも本当に嫌だ……


なんとなくこうなる気がしていた。

たぶん私はそんなふうにしかなれない人間なんだろう。

今は、暗闇で目を凝らし見えない先に脅えるしかなかった。
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