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藍の果て
第1章 死の惑星


遠くの方から聞こえた声に、耳を傾ける。一人?いや、会話の様なものから、どうやら複数此方に向かっている。
どうやら、人間が居るらしい。リオは安堵で肩の力が抜ける。



「しかし、最近金にならねえ仕事ばっかりだ」
「〝パルバナ”の奴らは良いよな。あそこで稼げば、一生楽して暮らせるんじゃねーか?」



「馬鹿言ってんじゃねえよ。あんな黄色い猿共の下で働くなんて、真っ平だぜ」
「ハハッ。言えてる!しかし、何の音だったんだろうな?あれ」



人影から見るに二人組の男だ。男たちの会話から、此方に様子を伺いに来た事は一目瞭然だった。
男たちの足音に少しずつ近づこうと砂を蹴る。リオにとって、彼らは救いの架け橋だったのだ。



「うわっ!な、何だこれ!」

「何が起こった!?おい!これ、見ろよ!これ、鉱石じゃねーか?」


男たちは惨劇の現場にやって来て、驚きはしたものの、その後の行動は瓦礫の撤去や救出ではなかった。
散乱している搭乗者だった者たちの私物品を、漁りだしたのだ。
乱暴に引きちぎられていく鞄や、ゴミの様に蹴散らされ扱われる遺体。
一般客の腕や指に嵌められていただろう指輪などの宝石を掻き集めて、男たちは豪快に笑う。


「すげー!何だこれ、こんな所に金になるもんが落ちてるとは有り難え!」

遺体が転がっても尚、平然と男たちは金目の物を奪い続ける。
歓喜の声をあげて、自分たちの懐へとしまいこんでいく。



この人たち、異常だ。




リオの目に映った彼らは、人間ではなかった。人間の皮を被っているだけの、何か違う生物。
事切れた仏に向かって、何故あんな真似が出来るのか。
次に頭の中に飛び込んできたのは、逃げよう、という危機感だった。

逃げなければ、遺体をも蹴散らす彼らに何をされるか分からない。




気づかれないように、そっと……。
どうか、お願い!早くどこかへ行って!!





ジャリ……。




砂に塗れた小石を踏んだ瞬間、体中が震えた。
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