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その瞳に…
第18章 ~モノローグ2~
舞奈が落ち着いた頃、佐田先生が声をかけてき、舞奈に色々と訪ねていた。

頭を下げ、舞奈を送る許可を貰う僕に、佐田先生は了承してくれた。

きっと、僕達の事は気がついてるだろう。

けれども、僕は職を失う事よりも、舞奈が恐怖で壊れてしまう事の方が嫌だった。

「ん…」

コロンと布団の中で寝返りを打つ舞奈。

穏やかな寝顔。

僕はその寝顔に自然と頬が緩む。

正直、あの男達を見つけ出して、ありとあらゆる方法で痛め付け、殺してやりたい気持ちになる。

けれど、舞奈はきっとそれを望まない。

それならば、僕はとにかく舞奈の側にいて、安心を与えたい…

僕は服を整え、舞奈に置き手紙を書く。

玄関にある鍵をかり、家に鍵をかけ、ポストへいれる。

先ずは、明日の佐田先生との話し合い。

恩師には悪いが、最悪クビになっても構わない。

職なんてどうにでもなる。

今まで、誰かの為に必死になるこる事なんてなかった。

全てを投げ出しても良いなんて、思った事もなかった。

けれど、舞奈は…舞奈だけはもう手放したくない。

それだけ彼女が大事で、それだけ僕は舞奈に溺れている。

(こんな感情は初めてだな…)

これが初恋と言うものなのか…

僕はつい、自分の中の変化が面白くて笑ってしまう。

そして、舞奈の為に心を決める。

(先ずは、明日の話し合いから――)

僕は、真っ直ぐ前を見詰め、駐車場まで歩いた。


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