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その瞳に…
第23章 小さな秘め事
ふわふわした意識の中、舞奈はその心地よさに身を委ねていた。

(な…まな…)

何処からか、自分を呼ぶ声が聞こえる。

(やだ…まだ起きたくない…)

舞奈は、せっかく気持ち良く寝ているのだから、もう少し子のままでいたかっが、体を揺らされ、無理矢理意識を戻された。

「舞奈。起きなさい」

その声にはっと目を開けると、目の前には大河の顔。

「あれ?先生、なんでここに…」

舞奈は寝ぼけ眼で、大河の顔と辺りを見回す。

薄暗い部屋の中。

そこは自分の部屋でなく、化学準備室と理解するに、舞奈は少し時間がかかった。

「うわっ!?」

自分の置かれている状況を理解するにはし、舞奈はガバッと起き上がる。

「私…寝てました、よね…?」

罰が悪そうに訪ねる舞奈に、大河は苦笑しながら答える。

「とても気持ち良さそうに寝てたよ」

くしゃくしゃと頭を撫でながら、舞奈は恥ずかしさで、かけられていた膝掛けで顔を隠す。

「すみません…なんか、何時も私寝てる気がする…」

友人の話や、そう言う本には、セックスは男性の方が疲れやすく、寝てしまう傾向があると言われてるが、何時も舞奈が先にダウンしてしまう事に、恥ずかしさと罪悪感を感じる。


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