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その瞳に…
第23章 小さな秘め事
「あの、この間の事を心配してるなら、駅から家までは道も明るいし、心配無いですよ?」

舞奈は、そんな大河を更に説得しようとするが、大河は眉間に皺を寄せるだけだった。

(あれ?そう言う訳じゃないのかな…)

不機嫌そうな大河に、舞奈は困惑する。

大河ははぁ、と解りやすくため息をつき、舞奈を見る。

「君は気がついていないのか?」

「へ?」

その言葉に、舞奈は頭の中に大量のクエスチョンマークをつくる。

(気付いてないって…?)

自分の格好がおかしいのか?と、舞奈は自分の姿を確認するが、乱れた髪も制服も先ほど直した為、得に変な所はなかった。

大河はもう一度ため息を付き、車のエンジンをかける。

「気付いてないならしょうがないけど…でも、家の近くまでちゃんと送らせなさい」

大河にキッパリと言われ、舞奈は反射的に、はい、と答えてしまう。

走り出した車内は、何となく気まずい空気を醸し出す。

舞奈は窓に映る自分を見て、やっぱり特に変な所は見当たらないと思った。

舞奈はチラリと窓越しに大河を見る。

表情は既に戻っており、真っ直ぐ前を見て運転をしている。

(先生、やっぱり格好いいな…)

大河の横顔に見とれていると、チラっと此方を見た大河に、窓越しに見とれてたのがバレたかと思い、舞奈はドキっとする。

「今日はどうだった?」

「え?今日?文化祭の事ですか?」

大河の突然の質問に、舞奈はすっとんきょうな声を出してしまう。

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