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その瞳に…
第29章 大人と子供
 しかも内容が内容なだけに、由美は絶対に食いついてくるのが目に見えている。

 そうなると、大河が来たら更に質問攻めにし、せっかくのお泊りに正直邪魔になると、舞奈は考えてしまった。

 「どうなるか知ってはいるけれど、話していいか解らないから。それは先生に確認してから話すね」

 取りあえず、今日は話せないと言う舞奈に、由美はふ~んと興味なさそうに返事をし、机の上に置いていた読みかけの漫画に集中し始めた。

 舞奈は、そわそわと落ち着かない気持ちで、時計を何度も確かめる。

 待ち合わせの10時まで、後10分程。

 車で迎えに来るのだから、道路状況等で早くも遅くもなるのは解ってはいるが、なるべく道が空いている事を祈る。

 いつもは10分なんてあっという間だというのに、大河を待つこの時間は、舞奈にとってはとても長く感じる。

 じっと、時計の針を見つめていると、舞奈は一分てこんなに遅かったっけ?等と思ってしまった。

 「・・・舞奈、あんたいい加減おちつ――――――――」

 そわそわと落ち着きが無い舞奈に、漫画を読んでいた由美が、呆れて言葉をかけようとした瞬間、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。

 「はい!!」

 音を聞いた瞬間、舞奈は急いで玄関まで走り、一応ドアスコープから外にいる人間を確認し、それが大河だと解ると、急いで玄関を開けた。

 「先生!!」

 「うわっ!?」

 舞奈は玄関を開けた瞬間、嬉しさの余り大河に飛びつく。

 流石に、行き成り飛び掛られるとわ思っていなかった大河は、少し驚いた声を上げながらも、抱きついてきた舞奈を優しく抱きしめ返した。

 「お待たせ、舞奈」

 大河にぎゅっと優しく抱きしめられ、舞奈は嬉しさで更に強く抱きしめる。

 
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